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イスラエル政府は29日の閣議で、06年7月にレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラに拉致されたイスラエル兵2人を取り返すために収監中のレバノン人戦闘員5人を釈放することなどを決定した。
イスラエルのオルメルト首相は、2人の兵士がすでに死亡したとの判断を初めて正式に示した。 捕虜交換は数週間後に行われる見通し。釈放されるレバノン人戦闘員の中には、30年近く収監され、ヒズボラが最も強く求めてきたクンタル受刑者が含まれている。 イスラエルは、レバノンとの国境でイスラエル兵8人が殺され、兵士2人が拉致された事件をきっかけにレバノン空爆を開始。オルメルト首相は開戦の最大の目的を「拉致兵士の奪還」と表明していたが、現場に残された大量の血痕などから、兵士2人は死亡している可能性が高いと当初から見られていた。だが、政府は正式には死亡したとの見方を示していなかった。 【夕刊】 <イスラエル兵、遺体で返還・ヒズボラと捕虜交換> 06年7月にレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラに拉致されたイスラエル兵2人が16日、遺体となって返還された。 イスラエルは収監中のレバノン人戦闘員5人をヒズボラ側に引き渡した。捕虜交換はドイツの仲介による秘密交渉で実現した。 レバノン人戦闘員の中には、約30年前にイスラエル人の家屋に侵入して父親と4歳の娘らを殺害したとされるクンタル受刑者が含まれている。イスラエル国内では「血塗られたテロリスト」として記憶され、「兵士の遺体と交換するのは割に合わない」と反対する声が出ていた。 これに対し、ヒズボラはクンタル受刑者釈放を最大の目標としてきた。レバノンでは「英雄」と見なされており、各地でキャンディーが配られるなど祝賀気分が広がった。 06年7月にレバノンとの国境でイスラエル兵2人が拉致され、兵士8人が殺された事件をきっかけに、イスラエル軍はレバノンの首都ベイルートなどを大規模空爆し、市民多数が犠牲になった。オルメルト首相は攻撃の最大の目的を「拉致兵士の奪還」と表明していたが、拉致現場に残された大量の血痕などから、兵士2人は当初から死亡している可能性が高いと見られていたことが停戦後に判明した。 【朝刊】2008年7月17日
【2008/06/30 00:00】 |
中東
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米連邦最高裁は26日、個人が家庭で銃を持つ権利を認める判断を示した。
国民の武装の権利をめぐる憲法修正第2条について初めて明確な解釈を示したもので、銃の容認派が論争に勝利した形だ。全米の銃規制制度に影響を及ぼす可能性がある。 米国の銃の権利をめぐる憲法論争は、18世紀に定められた修正第2条が争点だった。同条は、州兵の必要性と国民の武器所有の権利を並べて認めた内容であるため、銃の権利が認められているのは、州兵組織に限られるのか、それとも一般市民も広範に含むのかが長年の争点だった。 今回審理していたのは、家庭で短銃を持つことを禁じた首都ワシントン市の規制条例をめぐる訴訟。最高裁は26日、修正第2条について、市民個人が自衛や狩猟などのために銃を保持・携帯することを認めたものとの判断を示した上で、規制を違憲とした。 最高裁判事の間でも賛否が割れ、判決は5対4の小差で決まった。家庭での短銃所持をほぼ一律に禁じるという同市の条例は全米でも最も厳しい規制の一つだが、最高裁は、「絶対的な保持の禁止令」は違憲とした。 最高裁は同時に、武装する権利は「無制限ではない」との注釈もつけ、銃所有者の資格や携行の場所、目的などについて一定の規制はあり得るとの見解も示した。ただし銃所持の免許・登録制も含め、どこまでが合憲なのかの判断までは踏み込んでおらず、論争が続くのは確実だ。 銃容認派の代表的組織である全米ライフル協会は「画期的な司法判断」と歓迎する声明を出し、銃の保持を規制している他の都市の条例についても違憲訴訟を起こす方針を示した。一方、ワシントン市の市長は判決を批判しながらも、今後は登録制の形で市民が家庭で短銃を持つことを認める方針を示した。 【夕刊】
【2008/06/27 00:00】 |
米国
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米連邦最高裁は25日、死刑の適用範囲が争点になった裁判で、児童レイプのような非道な犯罪であっても、被害者が死んでいない事件で死刑を適用する法律は、残酷な刑罰を禁じた合衆国憲法に違反し無効だ、とする判断を示した。
ルイジアナ州で98年、養子の娘(当時8)をレイプした罪で有罪判決を受け量刑も確定した死刑囚が、連邦最高裁に量刑不当を訴えていた。同最高裁は5対4の小差で、13歳未満へのレイプに死刑が適用できるとしたルイジアナ州法の規定は違憲とした。 全米で死刑制度は連邦政府と36州で維持されているが、児童レイプへの死刑適用を可能にする規定は、ルイジアナなど6州だけ。 だが、大統領選で民主党の指名候補の座を確実にしているオバマ上院議員は同日、「私は賛成できない。小さな子供をレイプすることは凶悪な犯罪だ」と最高裁の判断を批判した。 【夕刊】
【2008/06/26 00:00】 |
米国
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イスラエルのベングリオン国際空港で24日、同国訪問を終えたフランスのサルコジ大統領夫妻を見送る式典の最中に銃声が響き、警護員らが大統領夫妻やイスラエルのオルメルト首相らを避難させる騒ぎがあった。間もなく、空港警備の警官が自殺した際の銃声だったとわかった。
【朝刊】
【2008/06/26 00:00】 |
中東
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売れ残った大量の中国産ウナギを、日本一の養殖ウナギの生産地・愛知県一色町産と偽って販売したとして、農林水産省は25日、水産会社「魚秀」(大阪市)と水産最大手・マルハニチロホールディングスの完全子会社「神港魚類」(神戸市)に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき改善を指示した。
魚秀の実質的な本社機能は徳島市にあり、徳島県警は同日、同社の中谷彰宏社長から任意で事情聴取を始めた。 実在しない愛知県岡崎市の架空会社を製造者としたラベルを商品に張って隠蔽工作を図り、少なくとも49トン(約39万匹)が市場に出回っていた。魚秀が抱えていた中国産ウナギの売れ残り在庫は、計540トン、神港魚類にも計207トンの在庫があり、同省は魚秀の福岡市の倉庫などで出荷を止めたという。同省は「架空会社で売り抜けを図る手口は過去に例がなく、極めて悪質」としている。 農水省の調べでは、魚秀は今年3月から4月にかけて、在庫の中国産のウナギをかば焼きに加工して出荷する際、愛知県「三河一色産」の偽のロゴマークを包装に張って約256トン(約205万匹)を神港魚類に出荷。製造者名に「一色フード」と架空の会社名を記し、会社所在地に愛知県岡崎市一色町一色とデタラメの地名を記していた。 神港魚類は中国産と認識しながら、今年3月から6月14日にかけて、49トンを全国のスーパーなどに「三河一色産」として販売したという。49トンのうち15トン(約12万匹)は魚秀が神港魚類から買い戻して、自ら流通させていた。 中国産のかば焼きの相場は1キロ(約8匹)当たり1800〜1900円に対し、国産は4千〜5千円と2〜3倍の価格差がある。 商品は魚秀から直接、神港魚類へ入っていたが、東京都の協力企業2社を経由して神港魚類に商品が入るような架空伝票も作られていた。偽装の発覚を免れるためとみられ、神港魚類からの代金の支払いも2社を経由した形をとっていたという。 農水省に「聞いたこともない業者名のウナギが出回っている」との情報が寄せられて発覚した。 魚秀は同省に対し、動機について「中国産ウナギが売れず、在庫を処理するためだった」と説明。神港魚類は今年5月に魚秀から中国産で製造者が架空会社であるとの連絡を受けた後も一色産として販売を続けていたとされる。 魚秀は徳島市の水産会社・徳島魚市場の関連子会社で主にウナギの輸出入を扱い、06年度の売り上げ実績は約66億円。神港魚類の07年3月期の売上高は671億円。 今回偽装の被害を受けた愛知県一色町では、一色うなぎ漁業協同組合自体が、台湾産のウナギを一色産として販売していたことが同省などの調査で今月判明している。 ![]() 【朝刊】 <魚秀、神港課長に「口止め料」1千万円> 神港魚類(神戸市)は25日、同社の担当課長(40)が、納入元の魚秀(うおひで)(大阪市)側から偽装の「口止め料」として現金1千万円を渡されていたことを明らかにした。 両社の取引の間に介在していた協力会社が「手数料」を受け取っていたことも判明。いずれも偽装の発覚を防ぐための隠蔽工作だったとみられる。 25日夕に記者会見した神港魚類の川口道人取締役らによると、取引の担当課長は5月27日午後、魚秀の中谷彰宏社長から呼び出され、神戸市内の喫茶店で面会した。雑談後、「おみやげ」と言われ、中国産のお茶1袋を渡された。帰宅後、袋を開けたところ現金1千万円が入っていたという。課長はすぐ中谷社長に電話をかけ、返却を申し入れたが、「いいですから。持っといて」と拒まれ、家に保管していたという。 このころ、すでに課長は神戸市中央卸売市場内の取引先から「ウナギの産地がおかしいのではないか」と指摘されており、魚秀の産地偽装を確信し、「口止め料」との認識を持っていたという。 農水省は6月初旬、神港魚類が偽装ウナギを販売した卸・小売業者への立ち入り調査を始めた。これを受け、課長は10日、中谷社長ら魚秀幹部に徳島市内の居酒屋に呼び出され、隠蔽工作を持ちかけられた。課長は「怖くて話には加わらなかった」としている。 同省は12日、魚秀と神港魚類への調査に入った。翌13日、課長は中谷社長らと神戸市内のホテルで面会した。魚秀幹部が課長を首謀者とする農水省への報告案を示し、「1億円出すから責任をかぶってくれ」と迫ったが、課長は断ったという。課長が上司に現金授受などを報告したのは、農水省の調査最終日の18日。課長は「大変な事件に巻き込まれ、怖くなって言えなかった」と説明したという。 課長は、こうした現金授受や魚秀とのやりとりを上司に報告していなかった。このため、神港魚類は「農林水産省の立ち入り調査を受けた12日になって初めて産地偽装を知った」としている。担当課長が偽装を確信した5月下旬以降も一色産として販売していたことを認めた上で「社としての偽装への関与はなかったと考えている」と釈明した。 魚秀の中谷社長は、神港魚類の課長に1千万円を渡した件について「偽装したウナギを売ってもらうための報奨金。リベートのようなものだ」。また、1億円を払う話については「農水省が調べているという情報が耳に入っていたので、切羽詰まって言ってしまったことだ。隠蔽の意図はなく、そもそも1億円を払う能力はない。ばれた段階で正直に話すつもりだった」と話している。 ■偽装協力2社に「手数料」4300万円 魚秀と神港魚類の間に入って、実際にはウナギを扱わずに取引伝票を発行して偽装に協力した2社が、神港魚類がウナギの仕入れ代金として支払った約7億7千万円の中から、「手数料」名目で計約4千万円を受け取っていたことが農林水産省の調べでわかった。魚秀側には、入金記録が残らないように4回に分けて、現金で手渡されていた。 同省の調べでは、協力企業2社はともに東京都にあり、偽装に協力する見返りとして、1社には1キロにつき150円、個人経営の別の1社には同20円が支払われていた。神港魚類が魚秀から仕入れた偽装ウナギは256トンに上り、150円の社には約3500万円、個人経営者には約500万円が支払われたとされる。偽装ウナギは実際には魚秀から神港魚類に直接、流れていたが、2社が間に入ることで取引を複雑化して、偽装の発覚を逃れようとしたとみられる。 神港魚類から魚秀への商品の代金は取引伝票を逆にたどる形で、まず手数料150円の協力企業の銀行口座に計7億7千万円を神港魚類が振り込み、その協力企業が手数料分を差し引いた額を、もう1社の個人経営者の口座に振り込んでいた。しかし、魚秀が商品に製造者として記した「一色フード」は実在しない架空会社で口座はなく、協力企業が現金化したうえで、魚秀側に手渡していた。 4回の現金の受け渡しのうち5月中旬の1回では、協力企業2社と魚秀の関係者が都内で1台の車に落ち合い、ボストンバッグに詰めた億単位の現金を車内で授受していたという。 現金の受け渡しの数日後に、魚秀は、実在しない架空の会社「一色フード」の偽の代表取締役名で、協力企業1社に領収書を送付していた。協力企業から魚秀の口座に振り込めば、架空会社の背後に魚秀の存在があることがすぐに発覚することから、農水省は、魚秀が偽装が発覚して自社に責任が及ぶのを避けるために取引を複雑化したうえで、現金の手渡しを協力企業に求めたものとみている。 【朝刊】2008年6月26日 <魚秀、農水省に仕入れ巡り虚偽説明> 水産会社「魚秀」(大阪市)が6月初旬、流通ルートを追跡していた農林水産省から調査を受けた際、産地偽装のウナギについてマルハニチロホールディングスの子会社「神港魚類」(神戸市)から仕入れて扱ったと虚偽の説明をしていたことがわかった。 同省の調べでは、魚秀は「一色フード」という架空会社を製造者とするラベルを張って、商品を流通させていた。会社の所在地も養殖ウナギ産地の愛知県一色町とは異なる愛知県岡崎市一色町の実在しない住所にしていた。 一方、自社の名前を使ってこのウナギを扱う際には、神港魚類に出荷した256トン(約205万匹)から15トン(約12万匹)をわざわざ買い戻して販売していた。同省は「一色フード」が架空と見破られた際に、自社の関与が疑われないように言い逃れるための工作だったとみている。 同省は5月23日、同省の食品表示110番に「謎の会社が一色産のウナギを販売している」との情報提供を受けて調査を開始。小売店から販売元を絞り込む中で魚秀が取扱業者の一つとして浮上した。しかし、仕入れ先として神港魚類を挙げたため、当初の聞き取り段階では架空会社との関連を疑わなかったという。 ところが、神港魚類への調査の中で、今回の偽装に協力していた東京・築地の協力企業が浮上。この企業の調査で個人経営の協力者も判明し、魚秀の非常勤役員が伝票の作成や代金の現金化を2社に協力依頼していたことなどが分かった。 非常勤役員はこの際、魚秀の会社名は出さず、別の関連会社「ジョイントパワー」の肩書を使っていた。取引が済んだ6月に入ると、ジョイントパワーは廃業し、法人登記簿上も閉鎖していたという。 日本農林規格(JAS)法は、廃業した法人に適用されず、同省は魚秀が責任逃れで別法人をあらかじめ用意していた疑いが強いとみている。 【夕刊】2008年6月26日 <中国産を「鹿児島産」と偽り回収> 神港魚類が販売先の仲卸業者らから商品を回収する際、「鹿児島産だった」などと虚偽の説明をしていたことが、業者の証言でわかった。 販売した偽装ウナギ約49トンのうち、回収は5.4トンにとどまっている。 農林水産省によると、神港魚類は魚秀から「一色産」と虚偽表示した中国産ウナギのかば焼き約256トンを仕入れ、今月14日までに約49トンを神戸市や大阪市などの17の仲卸業者らに販売した。神港魚類によると、同省の立ち入り調査後の19日から社員4人で回収を始めた。 神戸市内の業者によると、神港魚類の社員は回収にきた際、「鹿児島産のウナギを誤って一色産として販売していた可能性がある」と説明したという。すでに、仕入れた数百キロのうち約7割が流通し、残りの在庫などを返品した。 同市の別の業者は偽装が発覚した25日になって初めて、「在庫が残っていたら回収する」と電話を受けた。発覚前から偽装のうわさが広がっており、同社に度々問い合わせたが、「時期がきたら話す」の一点張りだったという。 神港魚類によると、同社の社員らは偽装の詳しい経緯を知らされていなかったという。川口道人取締役は「社員への説明が不十分だったのは認めなければならないが、虚偽の説明などはしていない」と話している。 【朝刊】2008年6月28日 <魚秀社長「神港魚類と計画」> 魚秀の中谷彰宏社長が朝日新聞の取材に対し、「魚秀の福岡営業所長と神港魚類の担当課長が1月下旬ごろに偽装を計画した」と話した。中谷社長は営業所長から相談を受け、「ウナギの在庫を何とかしたい」と思って偽装を承認したという。 中谷社長によると、神港魚類との商談窓口になっている福岡営業所長が、神港魚類の担当課長との雑談の中で「中国産ウナギの在庫がふくらみ困っている」と話したところ、互いの利益が一致し、偽装の計画が持ち上がった。その際、一色産なら有名だから売れるのではないかと、偽装ブランドの内容も決めたという。 中谷社長は「神港魚類の販売ルートを使えば、大量に販売でき、在庫は大幅に減る。売り上げが上がり、神港魚類ももうかる」と説明。農林水産省の調べで、魚秀は今年3月から4月にかけて、産地を偽装した在庫のかば焼き256トンを神港魚類側に出荷したことがわかっている。中谷社長は「中国産で256トンだと4億4千万円ぐらいだが、実際に神港魚類へ販売した価格は7億円余り。3億円ぐらい売り上げが違った」と話している。 魚秀は、昨年夏の中国産ウナギへの抗菌剤使用問題で売り上げが減少。さらに、ギョーザ事件で、中国産食品への不信が高まり、今年初めには800トンの在庫を抱えていたという。 問題発覚後の神港魚類の会見では、担当課長が中谷社長から呼び出され、1千万円入りの中国産のお茶の袋を渡されたと証言。当時、市場関係者から「ウナギの産地がおかしい」と指摘されており、担当課長は「産地偽装の口止め料」と認識していたという。これに対し、中谷社長は「偽装したウナギを売ってもらうためのリベート」と話しており、両者の認識は食い違っている。 【夕刊】2008年6月28日 <昨年もウナギ偽装> 昨年、「九州産」などと偽装された中国産ウナギのかば焼きの販売にかかわっていたことが農林水産省の調査でわかった。 「一色産」の偽装に関与したとされる神港魚類の課長がこのときも担当していたが、両社は「九州産」の偽装への関与を否定している。 農水省は昨年9月上旬、福岡市のウナギ加工販売会社「ヨーマン福岡」(解散)に対し、中国産のウナギのかば焼きを鹿児島産または九州産と表示した箱に詰め替えて販売していたとして、立ち入り調査を実施。その直後に経営者らが行方をくらましたが、伝票上、魚秀がヨーマン福岡から仕入れて神港魚類に販売、魚秀がその一部を神港魚類から買い戻していたことが判明した。 神港魚類の説明によると、同社は昨年1〜3月にヨーマン福岡から直接約30トンを数千万円で仕入れ、秋までに仲卸業者や魚秀に販売した。産地証明書の製造者欄には「ヨーマン福岡」と記載されていたという。 神港魚類の川口道人取締役は「当時は、国産で何の問題もなかったという認識だった」と説明。農水省は魚秀の中谷彰宏社長からも事情を聴いたが、昨年の偽装については関与を否定したという。 また、「一色産」への偽装を捜査している兵庫、徳島両県警は30日、兵庫県警兵庫署に合同捜査本部を設置。偽装の実行役とされる高松市の水産会社の元専務からも任意で事情聴取を始めた。 合同捜査本部は、不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑のほか、魚秀の中谷社長と神港魚類の担当課長らが共謀して、仲卸業者らに国産と偽って高値で売りつけたとする詐欺容疑の適用も検討。さらに、この担当課長に関して、当初から中国産ウナギと知りながら高値の国産として魚秀側から仕入れ、自社に損害を与えたとする背任容疑での立件も検討する。 【朝刊】2008年7月1日 <ウナギ産地証明書の偽造把握か> 「神港魚類」(神戸市)の担当課長が、製造元が作製する「一色産」の産地証明書を、架空の仕入れ先である東京都の食品商社を通じて入手できると強調し、社内決裁を受けていたことがわかった。 食品商社の社長は「産地証明書の提出を課長から求められたことはない」と証言しており、課長が当初から、証明書の偽造を把握していた疑いが強まった。 農林水産省は、証明書はウナギ輸入販売会社「魚秀(うおひで)」(大阪市)が偽造し、実際にはその関係者が神港魚類に送付したとみている。食品商社は実際にはウナギを扱っておらず、魚秀側から依頼され、取引伝票だけを発行していた。同省は、担当課長が証明書が送られた宅配便の送付状を破棄していたことなどから、当初から架空会社を介在させるなどした取引の構図に加担していた疑いが強いとみている。 神港魚類によると、担当課長は1月下旬、魚秀側から紹介された東京の食品商社から200トンを仕入れる取引の起案書を作成。「産地証明書も手に入れます」と上司に説明し、2月5日の執行役員会で取引を承認されたという。この後、課長は上司に「製造元から証明書を入手するよう商社に求めた」と報告していたという。 同社は3〜4月、二十数回にわけて当初計画を上回る計256トンを購入。3月中旬に、製造者欄に架空会社「一色フード」の名が書かれた産地証明書が一括して神港魚類に届いた。 神港魚類が農水省の立ち入り調査を受けている6月13日ごろ、担当課長は上司から「証明書の送り主を確認しろ」と命じられ、上司の目の前で食品商社の社長に電話。社長は「私は知らない」と答えたという。課長はその後の社内調査で、「産地証明書は宅配便で送られてきたが、送付状を捨ててしまったので送り主は分からない」と説明したという。 ![]() 【夕刊】2008年7月1日 <禁止抗菌剤ウナギ、魚秀の親会社が輸入> 産地偽装された中国産ウナギのかば焼きから使用が禁止されている合成抗菌剤「マラカイトグリーン」が検出された問題で、このかば焼きは、ウナギ輸入販売会社「魚秀(うおひで)」(大阪市)の親会社にあたる水産物卸売会社「徳島魚市場」(徳島市)が輸入していたことがわかった。 同社は1年前にも、出荷したかば焼きから抗菌剤が生体内で代謝してできる物質が見つかっており、安全対策を講じていなかった疑いが出てきた。 農林水産省の調べなどによると、偽装されたかば焼きは徳島魚市場が中国から輸入し、魚秀が購入。高松市内で愛知県の「三河一色産」と偽装され、3〜4月に約256トンが水産卸売会社「神港魚類」(神戸市)に出荷された。3日、同社の自主検査で、回収された一部の商品から抗菌剤が検出されたことが明らかになった。 また、徳島魚市場は昨年7月、出荷したかば焼きから抗菌剤の代謝物が検出したことから徳島保健所に販売自粛を指導された。このかば焼きは昨年2月、約20トンが検疫を通過し、魚秀を通じて関東を中心に販売された。徳島魚市場は、昨年7〜9月末に約4トンを自主回収。10月末に焼却処分するとしていたが、県が先月26日に立ち入り調査したところ、倉庫内に置かれたままだった。吉本隆一社長は「県が立ち会いの上で、処分するように言われていたので、県の指示を待っていた。回収したウナギは再出荷していない」という。 関係者によると、魚秀の中谷彰宏社長が、偽装が発覚した先月25日まで徳島魚市場の商事課長も兼任しており、両社のかば焼きの仕入れや販売を任されていた。中谷社長は昨年7月、徳島県の聞き取り調査に対し、抗菌剤の検出について「中国で契約している養殖池にほかの池から水が流れこんだか、中国の加工業者がこちらの指定したウナギ以外を使った可能性がある」と報告したという。 <ウナギ偽装で報酬1億円> ウナギ輸入販売会社「魚秀」側から、箱の詰め替え作業などの偽装行為の実行役とされる高松市の水産会社元専務に、報酬として約1億円が支払われていたことが、兵庫、徳島両県警の合同捜査本部などの調べなどでわかった。 調べなどによると、魚秀の中谷彰宏社長が取引関係にある高知県内の水産加工会社取締役を通じて、高松市の水産会社元専務らに偽装工作を依頼。元専務らは2〜3月、高松市内の倉庫で国産用の箱への詰め替え作業などをし、魚秀の非常勤役員でもある取締役から約1億円を受け取った。2人とも現金の授受を認めているという。 魚秀は中国産を国産と偽って高値で販売したことで約3億円の利ざやをかせいだとされ、合同捜査本部はこの利益から報酬が工面された疑いがあるとみて調べている。 同本部は3日、7都府県計24カ所を家宅捜索。請求書など計905品目1295点を押収した。魚秀の中谷社長から神港魚類の担当課長に提供された1千万円については、神港魚類から任意提出を受けた。同本部は3日、担当課長から任意で事情を聴いたが、課長は偽装計画への関与を改めて否定したという。 【朝刊】2008年7月4日 <ウナギ偽装、利益3億3千万円> ウナギ輸入販売会社「魚秀」が得た利ざやは約3億3千万円にのぼり、このうち約1億5千万円が偽装工作の実行役ら関係者に配分されていることが、魚秀関係者らの証言などでわかった。 残り約1億8千万円のうち1億円は、水産物卸売会社「神港魚類」の担当課長を偽装の首謀者に仕立て上げるための「口止め料」に見込んでいたという。 魚秀の中谷彰宏社長は兵庫、徳島両県警の合同捜査本部の調べに「もうけより在庫を減らしたかった」と話しており、同本部は在庫一掃のため偽装を計画したとの見方を強めている。 調べなどによると、魚秀は3月4日〜4月16日、神港魚類に愛知「三河一色産」と称して、中国産かば焼き計256トンを約7億7千万円で出荷。今春の相場で中国産なら約4億4千万円に相当し、差額約3億3千万円を不正に得たとされる。 魚秀関係者によると、同社は1月時点で、中国産かば焼きの在庫が約800トンに膨らんだ。中谷社長は、親会社の水産物卸売会社「徳島魚市場」の社長から「損をしてでも売りなさい」と命じられていた。 このため、魚秀の福岡営業所長と神港魚類の担当課長が同月、一色産への偽装を計画、2〜3月、高松市内の倉庫で国産用の箱に詰め替えさせるなどした。偽装工作を請け負った同市の水産会社元専務に、魚秀の非常勤役員でもある高知県内の水産加工会社取締役が約1億円の報酬を渡したという。 また、実際には魚秀と神港魚類の2社間でかば焼きの取引をしていたのに、伝票上は東京の食品商社2社を経由したことにし、商品の流れを複雑化、発覚しにくくしていた。3〜4月、協力した1社に約3500万、もう1社に約500万円を「手数料」名目で支払った。5月には、中谷社長が神港魚類の担当課長に「報奨金」1千万円を提供したという。 残りの約1億8千万円は、魚秀名義でストックされた。 農林水産省や神港魚類によると、同省の立ち入り調査が始まった翌日の6月13日、中谷社長ら魚秀幹部は神港魚類の担当課長と神戸市内のホテルで面会。魚秀幹部が課長を首謀者とする同省への報告案を提示し、「1億円出すから全部かぶってくれ」と迫ったという。1億円は、利ざやの残金が原資とみられる。 魚秀幹部は「課長が『年収500万円として20年で1億円になる。それぐらいあれば海外で暮らせる』と言い出したのがきっかけで、そんな話になった」と説明する。1億円の提供は、実際には課長が拒絶したため実現しなかった。 <賞味期限も改竄、冷凍品を1年間延長も> 「魚秀」が、産地偽装した冷凍かば焼き約256トンの賞味期限を半年から約1年間延長していたことが、魚秀関係者の話でわかった。 兵庫、徳島両県警の合同捜査本部は、余った在庫を売りやすくするために賞味期限を改竄したとみて、押収した資料の分析を進めている。 徳島保健所によると、冷凍ウナギのかば焼きが零下18度以下の状態で保存された場合、約2年間は品質が保たれるという。しかし、魚秀関係者によると、賞味期限はもともと約2年間に設定していたため、延長すれば品質が落ちる可能性がある。 農林水産省や魚秀関係者によると、偽装したかば焼きの賞味期限は今年9月〜来年2月ごろだったが、高松市内の倉庫で偽装工作を行った際に、賞味期限が「09年8月」などと記された国産用の段ボール箱に詰め替えたという。賞味期限が延長されたかば焼きは、3月上旬から4月中旬にかけて水産卸売会社「神港魚類」に出荷された。 【朝刊】2008年7月5日 <偽装かば焼き出荷後、さらに中国産245トン購入> ウナギ輸入販売会社「魚秀」が産地偽装したかば焼きを出荷した後も、親会社から新たに約245トンの中国産かば焼きを購入していたことが関係者の話でわかった。 魚秀は、偽装かば焼きの販売で約3億3千万円の利ざやを得ており、兵庫、徳島両県警の合同捜査本部は、魚秀が親会社の在庫減らしに協力するとともに、さらに利ざやを稼ごうとしていた疑いもあるとみている。 調べなどによると、魚秀は3月4日〜4月16日、水産物卸売会社「神港魚類」に愛知県「三河一色産」と称して、中国産かば焼き計256トンを約7億7千万円で出荷。国産との差額約3億3千万円を不正に得たという。魚秀は当時、親会社の水産物卸売会社「徳島魚市場」から購入した約800トンの中国産かば焼きの在庫を抱えており、この処分を狙って偽装を企てたとされる。 関係者によると、魚秀はこれとは別に1〜6月、徳島魚市場から計350トンを約5億3千万円で仕入れた。このうち偽装かば焼きの出荷を終えた後の5月は約45トン、6月は約200トンを購入していた。 徳島魚市場も、出荷した中国産かば焼きから昨年、合成抗菌剤「マラカイトグリーン」の代謝物が検出された影響で、大量の在庫を抱えていた。同社の商事課長を兼ねていた魚秀の中谷彰宏社長は今年1月、徳島魚市場の吉本隆一社長から「賞味期限があるから、安くしても早めに売った方がいい」と指示されていたという。 合同捜査本部は、中国産かば焼きの新規購入が、魚秀が徳島魚市場の在庫減らしを引き受ける一方、需要が膨らむ7月の「土用の丑の日」に向け、利ざやを稼ぐ目的だった可能性もあるとみている。 中谷社長は朝日新聞の取材に「新たに購入したかば焼きは、まだ賞味期限に余裕があって急いで売りさばく必要はなかった。消費者のニーズをにらんだ通常の取引だ」と説明。徳島魚市場の吉本社長は「毎年夏場にかけて魚秀への販売量は増える。昨年よりは少なかった」と話している。 【朝刊】2008年7月6日 <隠蔽策協議詳細に> 責任をかぶってくれれば、逮捕されてもこの先面倒をみてやる――。中国産ウナギの産地偽装事件で、ウナギ輸入販売会社「魚秀」の中谷彰宏社長と水産物卸売会社「神港魚類」の担当課長らが、偽装の隠蔽工作を話し合ったとされる際の詳細なやりとりがわかった。中谷社長がこう持ちかけ、課長が暗に1億円を要求したという。 兵庫、徳島両県警の合同捜査本部の任意聴取に、中谷社長が証言した。 関係者によると、魚秀の福岡営業所長と、神港魚類の担当課長が1月、中国産かば焼きの「三河一色産」への偽装を計画。神港魚類は3月、魚秀から仕入れた偽装かば焼きの出荷を始めた。5月27日、魚秀の中谷社長が課長に「報奨金」として1千万円を渡したとされる。 課長は6月初旬、「うちの取引先に農林水産省の調査が入った」と福岡営業所長に連絡。同月10日、徳島市内で中谷社長と課長らが同省の調査をどう乗り切るか相談した。課長は「こういうことになってすみません」と謝罪。中谷社長は「偽装の責任を課長と福岡営業所長にとどめれば魚秀は存続する。仮に逮捕されてもこの先は面倒をみてやる」と話したという。 その3日後、神戸市内に再度集まった。課長は「会社員の年収500万円として、20年で1億円。これだけあれば海外で暮らせるだろうな」と中谷社長に持ちかけ、魚秀幹部が「じゃあ1億円をやるから、責任をかぶってくれよ」と応じたとされる。課長は席を外して妻に電話。たしなめられて席に戻り、「私は知らなかったことにしてもらいます」と申し入れを断ったという。 一方、神港魚類によると、課長は合同捜査本部に「中谷社長から5月に1千万円を手渡され、初めて偽装を確信した。怖くて会社に報告できなかった」などと話し、関与を否定している。 【朝刊】2008年7月7日
【2008/06/25 00:00】 |
偽装
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