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南アフリカ与党、「分派」と中傷合戦
南アフリカの与党、アフリカ民族会議(ANC)の執行部に反発する数千人の勢力が1日、当地に集まり、12月に発足させる新党の基本方針を決める会議を開いた。かつてアパルトヘイト(人種隔離)からの解放闘争で手を携えた人々の分裂は、若い南ア民主主義の基盤を揺さぶり始めている。

対立は、ズマ議長(党首)が率いるANC執行部と、9月に執行部の求めで大統領の座を追われたムベキ氏の支持者との間で起きている。

分派は2日間の会議に4千人の支持者を集め、党の名称や貧困対策について方針を決める。新党は12月16日に旗揚げする予定だ。

この日の会議では、分派の中心人物、レコタ前国防相が「(ANCの)支配勢力は個人の利益のために党をもてあそんできた。黙っていていいのか。人々のため、民主主義のために立ち上がろう」などと演説。路上では支持者らが歌や踊りで、新党結成に向け気分を盛り上げた。

ズマ氏の地盤クワズルナタル州から参加したトビレ・ビエラさん(54)は「16歳の時から党員だが、今の執行部は嫌いな人物を排除する仲良し集団。新党が昔のANCのような公平、公正さを取り戻すと期待している」と話す。

ANCは94年の全人種選挙で政権を獲得して以来、事実上、南アを一党支配してきた。今も国民議会(下院)の7割の議席を占める。

だが、初めての深刻な内部対立に執行部の危機感は強く、2日には貧しい黒人が多く住む旧非白人居住区ソウェトで集会を開き、ズマ氏が団結を呼びかける予定だ。

対立は中傷合戦の様相を呈し、ANC青年同盟のマレマ代表は「ズマ氏のためなら人殺しもいとわない」と過激だ。分派の側では新党を南アフリカ民族会議(SANC)と命名する案が浮上しており、ANCは「混乱を招く」として反発している。

一方で、政策論争はまだ見えてこない。マンデラ元大統領(90)の時代からのANC支持者の間には戸惑いも。ソウェトのスラム街、クリップタウン地区に住む無職のマーガレットさん(59)は「ANCを支持し続けたいけれど、だんだん分からなくなってきた。誰が私たちの貧しさを変えてくれるの」と嘆いた。

ANCは近年、縁故主義や個人崇拝、汚職などの問題が指摘されている。ズマ氏が出身民族ズールーの名をしばしば強調するため、民族対立が広がる懸念も出ている。

ヨハネスブルク大学のスティーブン・フリードマン教授は「解放闘争時代、ANCで役職に就けば刑務所行きの可能性もあり、厳しい自己犠牲を伴った。ところが今は国会議員になる早道。党の上層部や権力ばかりを見がちな構造ができた」と、ANCの変質ぶりを指摘する。
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【2008/11/02 00:00】 | アフリカ |
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